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偏析とシボの関係


金型シボ加工における偏析とは

金型シボ加工における偏析とは、金型鋼材中の成分が均一に分散せず特定の部位に偏って凝固・存在する現象を指します。

この偏析が存在すると、エッチングによるシボ加工時にシボムラ(模様の不均一)などの品質トラブルを引き起こす要因となります。

偏析がシボ加工に与える影響

① 腐食速度の差によるシボムラ

 シボ加工(エッチング)は、薬液によって金型表面を選択的に腐食させ模様を形成します。

 偏析が存在する部位では、周囲の正常組織と耐食性が異なるため腐食が過度に進行する部分と逆に腐食が進みにくい部分が生じ、線状・斑点状の模様乱れ(シボムラ)が発生します。

② 硬度のバラつき

 偏析部では、Cr・Mn・Mo などの合金元素が局所的に濃縮し、帯状組織や硬度の高い領域を形成することがあります。

 この硬度差が、シボ処理後の凹凸の不均一や外観不良の原因となります。

鋼材における偏析の本質

鋼材の偏析とは、溶融した合金が凝固する過程で成分元素や不純物の濃度が不均一に分布する現象であり、

鋼材の品質・機械的特性・表面処理性に大きな影響を及ぼす重要な要素です。

① 機械的特性の劣化:

  偏析は鋼材の靭性や強度などの機械的性質に悪影響を及ぼします。

② 組織の異常:

    成分濃度の違いにより、正常とは異なる組織(例: セメンタイトの晶出)が形成されることがあります。

③ 割れの発生:

   偏析の範囲や程度によっては、内部から割れが発生する原因となるため、注意が必要です。

  これは溶接時にも問題となることがあります。

④ 水素脆化への影響:

  粒界偏析した微量元素が、水素脆化などの現象に影響を与えることも知られています。

偏析の対策としては

 ・連続鋳造法の改善

  鋳片内部の成分偏在を抑制するプロセス制御

 ・冷却条件の最適化

  冷却速度・温度勾配の適正管理

 ・合金元素設計の最適化

  添加元素の種類・量の調整による偏析抑制

偏析の種類と特徴

ミクロ偏析(デンドライト偏析)

 凝固過程において、最初に結晶化するデンドライト部と、最後に凝固する間隙部で成分濃度が異なる現象です。

 デンドライト内部:溶質濃度が低い

 デンドライト間隙:溶質が濃化

 凝固速度や合金元素の溶解度差に起因します。

※適切に制御された場合、物理的・機械的特性の向上に寄与するケースもあります。

マクロ偏析

 肉眼で確認できるレベルの大きなスケールで成分が不均一となる現象です。

 鋳塊中心部・底部に発生しやすい

 炭素、ケイ素、マンガンなどが濃化(正偏析)または希薄化(負偏析)

 凝固収縮による溶湯流動や冷却速度の差が主因で、緩慢な冷却条件ほど顕著になります。

宝武特殊治金有限公司SWシリーズ シボ性能評価試験

2025年12月上海JIEBAO有限公司は、宝武特殊治金有限公司の以下鋼材2種類についてシボ加工性能の評価試験を行いました。

SW218H(S55C)  SWP20H (P20)

スクリーンショット 2026-05-26 111411スクリーンショット 2026-05-26 111345

S55C TH113S55c TH1015

P20 TH113P20 TH1105

シボ加工の評価は、良好な結果を確認する事ができました。

材料に偏析が無い事は、シボ外観の見栄え以外にも、成分や組織が均一である事を意味し、硬度や強度、靱性などの物理的特性の安定も意味します。

その結果、加工性や金型寿命にもつながり安定した品質の確保につながります

連絡先

株式会社JIEBAO JAPAN 門脇 聡

kadowaki@jiebao.co.jp

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